写真/
標高150メートルの高台、一望のもとに、という言葉が浮かぶ。別府市街地を越え別府湾、晴れた日には四国も見える眺望がすばらしい。
観海寺の語源は、この地にある寺の名称。養老年代の718年、僧・仁聞が温泉を開き、観海寺を開基したと伝わる。仁聞は仁聞菩薩と呼ばれ、国東半島で28の寺院を開基。六郷満山の開祖とされる。約700年前の鎌倉時代、一遍上人が開いたとされる鉄輪温泉とともに、古くからの伝承が残る。
戦後の観海寺には大型リゾートホテルが立地。別府観光をけん引してきたが、一方で、かって“秘湯”ともされてきたもう一つの顔がある。大型リゾートホテルの地区を抜けて、さらに急な坂を山中へ。別府湾が一望のところにコバルトブルーと言ったらいいか、青乳色の温泉「いちのいで会館」である。
泉質はナトリウムー塩化物泉。源泉は無色透明だが、湯の温度が下がると、化学反応を起こし、光にあたって青く見えるという。コバルトブルーの温泉は全国の温泉地でもめずらしい。