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日田祇園

写真/竹内康訓

華麗かつ勇壮

 しの笛、太鼓、三味線による独特の道囃子に乗って、「天領の町」の古い町並みを引かれていく祇園山鉾。夏を迎えての日田市街地は巡行する優雅な飾り山鉾に沸き返る。広く知られた博多山笠とは異なり、京都祇園の影響を強く受けたとされる山鉾は、まさに「九州の小京都」の風情そのままと言えようか。国の重要無形民俗文化財。
 祇園祭は夏に多い疫病や風水害などの災いを払い、安泰を願う古くからの祭り。大分県内でも各地で行われ、その中で中津、臼杵とともに日田が三大祇園祭とされている。共に特色があるが、日田は華麗であるとともに勇壮。日田代官・西国郡代のお膝元だったからか。
 日田祇園祭は1714(正徳4)年に始まるという。古い街筋を残す豆田地区と隈・竹田地区からそれぞれ4基と、新しい平成山鉾を加えて現在は9基。飾り物は南総里見八犬伝、壇ノ浦兜軍記、道成寺鐘入り、義経千本桜、鳴神不動、連獅子などなど。そして1990(平成2)年にできた平成山鉾は高さ10メートル。このため電線が張り替えられたほど。
 通り過ぎると、今度は後の垂れ幕「見送り」の飾り付けが余韻を残す。鳳凰、獅子、龍、麒麟、玄武などと多彩である。
 はやしもまた名物である。出発などの際の役物と巡行中の道囃子があり、万歳、八重桜、お染久松、醒ケ井、それに水郷節など50数曲にも上るらしい。リード役の、しの笛は文化年間(1800年代初期)、郡代役所の役人が長崎で明笛を習得して取り入れたものとされる。
 祭りは当日だけではない。みこし洗いから、はやしの練習など前後も長い。祭りが近づくと落ち着かなくなり、祭り以外は眼中になくなる人もかなりいる。この人たちを「祇園狐がついた」と呼ぶ。男だけではない、女も子供も、祭りでエネルギーを発散する。

毎年、歌舞伎の一場面を題材とした飾りつけが行なわれる。