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両子寺仁王像と山門

写真/竹内康訓

四季折々の表情

 笠を伏せたような円形の国東半島。それは「くにさき火山」とも呼ばれ、中央部の高まりから四囲に向かって、山の尾根とそれに挟まれた渓谷が放射状に延びている。放射の中心点は半島最高峰の両子山(721メートル)。山頂に立つと、半島の地形的特色がよく分かる。

 その中腹にあるのが両子寺。国東六郷満山の現在の総持寺となる古刹である。寺の近くで半島を横断する道路と国東市安岐町からの道が交差し、そこから寺への参道が延びている。横に車道もあって、寺の直下に駐車場もあるが、参拝するには昔ながらの参道をお薦めする。

 不信心者が渡ると落ちるという無明の橋を過ぎると、すぐに石段が始まり、両脇に仁王像が立つ。観光国東のポスターで知られる石像である。脇に歌碑などのある石段の途中に山門。綜合門とも呼ばれている。仁王像は半島で最も威容を誇るとされ、1814(文化11)年の作。滝沢馬琴が『豊後国両子寺縁起』を著したのは次の年だった。山門もまた、半島で最も古いとされる。参道は桜から夏の緑と移り、秋には紅葉のトンネルとなる。そして冬、仁王像は雪の綿帽子をかぶり、ちょっぴり穏やかな表情を見せる。

 駐車場まで登ると車や参拝客が四季を通じて絶えない。国東めぐりの定期観光バスも立ち寄る。もう一度、石段を上ると本堂の護摩堂。新しい講堂から奥の院へと登ると、神仏習合の歴史もしのばれよう。両子寺会館まで戻って一息つく。

 両子寺は満山の中山本寺。かつて多くの僧たちが修行したところ。時雨紅葉など七不思議をたずね、境内をゆっくり散策する。伽藍の配置など、山岳寺院の立地状況を見るのに欠かせない。九州西国三十三箇所の一つで、子授けの観音霊場としても有名である。

秋、紅葉のトンネルに囲まれた山門。