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うすき竹宵

写真/竹内康訓

里山再生にも光

 世のはじめ、火は神々のものだった。ギリシャ神話では、それをプロメテウスが人間に与えて以来、人は知恵と技術を手に入れ、文化を得た。火を操れる生き物は人類だけ。東西を問わず、火は神聖なものであり、人々は古くから火を祭ってきた。
 大分県内でも地域伝統の火祭りは多い。小松明、柱松、万灯籠などなど。臼杵市でも石仏火祭りが行われていた。それらが近年、郊外から街に入った。竹田市の「竹楽」、日田市の「千年あかり」など。それら街の火祭りの代表的なものが「うすき竹宵」である。臼杵では江戸期、火災予防のため「これより城下、松明無用」の石碑が街外れに立てられていたにもかかわらず…。

 竹宵は名前のように、竹のぼんぼりが二王座辺りから城下八町を中心に彩る。その数、数万本とも。1997(平成9)年に始まった。
 最初のうちは行政や企業が協賛金を元に運営してきたが、最近では竹の切り出しからぼんぼり、オブジェの製作まで、サポーター倶楽部など市民挙げてのボランティアが主体となった。
 街をライトアップするだけではない。臼杵石仏・真名長者伝説にちなむ行列が繰り広げられる。長者の娘・般若姫の美貌を知った橘豊日皇子(後の用明天皇)が下向して姫と結ばれるが、都に帰った皇子を追った姫は船が難破して亡くなる。その御霊を迎え、遺娘・玉絵姫などの行列が八坂神社から八町を歩くのがクライマックス。
 竹宵に限らず、各地で竹のぼんぼりが使われるのは、里山、特に竹林の荒廃を防ぐ目的もある。近年、県内の竹林は手入れが行き届かず、荒れ気味になったうえ拡大している。それを管理するには適当な間引きが必要となる。その一端を担って、間引いた竹を活用するわけ。街の火祭りには、地域活性化と里山再生の願いが込められている。

竹のぼんぼりが二王座辺りから城下八町を中心に彩る「うすき竹宵」。ボランティアが中心となって運営している。